大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(あ)2683 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中谷鉄也の上告趣意は、刑法一八六条二項の規定は憲法一三条に違反する

というのであるが、刑法一八六条二項の賭場開張図利罪の規定が憲法一三条に違反

しないことは昭和二五年(れ)第二八〇号同年一一月二二日大法廷判決(刑集四巻

一一号二三八〇頁)の明らかにしているところである。又所論は、自転車競技法違

反罪等の場合と比較し刑法一八六条二項が懲役刑のみを法定刑としていることは憲

法一四条の法の下の平等に反するというのであるが、憲法一四条は、すべての国民

が人種、信条、性別、社会的身分又は門地等の差異を理由として政治的、経済的、

又は社会的関係において法律上の差別的処遇を受けないことを明らかにして法の下

に平等であることを規定したものであるところ、犯人の処罰は、かかる理由に基く

差別的処遇ではなく、特別予防及び一般予防の要請に基いて各犯罪各犯人毎に妥当

な処置を講ずるのであるから、その処遇の異ることのあるべきは当然であることは

昭和二三年(れ)第四三五号同年一〇月六日大法廷判決(刑集二巻一一号一二七五

頁)の示すところであり、賭博常習者というのは、賭博を反覆する習癖、即ち犯罪

者の属性による刑法上の身分であるが、憲法一四条にいわゆる社会的身分と解する

ことはできないから刑法一八六条の規定をもつて憲法一四条に違反するものである

とすることができないことも昭和二五年(れ)第一二一九号同二六年八月一日大法

廷判決(刑集五巻九号一七〇九頁)の明らかにしているところである。論旨はいず

れもとるをえない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三七年四月二四日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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